NPL NSW Men’s1の最終節となったこの試合、他会場の結果次第ではまだプレーオフへの進出の可能性を残している為、ベストメンバーを揃えてきたSutherlandに対し、APIAは既にプレーオフへの進出が絶たれている為、来シーズンの戦いを見越して多くのアンダー20歳の選手をピッチに送り出しました。
既に数週間前にSutherland Sharksから来シーズンのオファーを貰っており、後は契約書にサインをする事のみを残している梶山知裕。今シーズン、チームの中心選手として活躍した事がオーナー、そして監督から高く評価され、契約更新の最優先選手として、NPLでもトップクラスの条件でのオファーを貰いました。
他力本願ながらなんとか最終戦を勝利で終え、プレーオフ進出への望みを繋げたいSutherland Sharksですが、どうしたのか立ち上がりから全くチームの歯車が噛み合あわず、APIAにボールを支配される時間が続きます。
リーグ終盤戦の好調なチーム状況からは考えられない位、この日のSharksは全てが空回りしていました。梶山自身もボールに触れる機会自体が少なく、全くと言っていいほど目立つ事ができません。
ＡＰＩＡもこれといって特に魅力的なサッカーをする訳でもなく、観る側にとっては退屈な試合内容のまま、時間だけが刻々と過ぎていきます。
シーズン前には大金を投じて他クラブの中心選手を獲得したのも関わらず、FFAカップでの早期敗戦と、リーグでの不振により同クラブオーナーが激怒し、既 に多くの選手が放出されたAPIAの中で、このチームの中心選手としてコンスタントに活躍し、このリーグでプレーする日本人選手の中で、今季最多の週間ベ ストイレブン入りを果たした関谷祐選手。シーズンベストイレブン入りも期待される彼ですが、この試合ではベンチスタートながら前半25分より登場し、得点に結びつくアシストを記録する等、試合を通じてクオリティーの高いプレーを見せていました。
前半を何とか無失点で乗り切ったSutherland Sharksですが、後半6分に失点します。この時間帯まで殆ど良い形でボールを触れていない梶山は後半10分に相手との接触プレーの際に太ももを痛め負傷し、途中交代を余儀なくされます。
その後も3失点を重ねたSutherland SharksはAPIAに1-4というスコアで敗戦し、わずかな望みが掛かったプレーオフ進出も絶たれ、梶山の2016シーズンは終了しました。
22試合に全てスタメン出場し、8ゴール、得点ランキング8位という成績で終えた梶山知裕の2016シーズンは、決して大成功とは言えないものの、他のチームに比べて予算も少なく、経験値も低い若手選手が中心のSutherland Sharksというチームの中で、少なからず梶山という存在をこのリーグ内で知らしめる事の出来た、実りのあるオーストラリアでのファーストシーズンとなった事に間違いありません。
オフシーズンはシドニー日本人選抜チームでの活動と、NSWフットサルプレミアリーグに所属するSouth Coast Taipansでのプレーが決まっている梶山、まずは今月の28日に行われる大会に向けて、早くこの怪我を治してもらいましょう。
（写真撮影：寺本貴生）
豪州フットボーラーズ