2015シーズン、日本人選手が3人プレーしているクラブの第2弾!という事で、シドニー中心部から南西に車で約1時間半の場所にある、Wollongong United FCをご紹介します。
このWollongong United FCですが、NPLとは関係なく、この地域のIllawarra Premier Leagueというリーグに属していて、1軍の選手達はきちんと給料を貰っているセミプロクラブであり、1990年には、当時のオーストラリアのトップリーグであった、NSL(National Soccer League)にも属していた、歴史ある名門クラブであります。
そもそも、シドニーを拠点として活動している私は、つい2年前まで、全くこのクラブに関しては無知だった訳ですが、同じマケドニアコミュニティーをベースとするNPLのRockdale City Sunsの当時のフットボールマネージャーから、Wollongon Unitedというクラブのオーナーを紹介したいという事で、週末にシドニーから車を飛ばして彼に会いに行き、色々な話を聞く中で、このクラブに日本人選手を送るメリットを見出した訳です。
そのメリットとは、
①外国人枠が無い為、NPLと違って競争相手がオーストラリア人、そしてオーストラリア人より少し上手ければ契約できる。
②レベルがNPL1とNPL2の中間ぐらいなので、ある程度レベルが高い中でプレーできる。
③給料はNPL2よりのクラブよりも断然良く、NPL1のクラブとさほど変わらない。
④シドニーと違って、このリーグで日本人、韓国人を含めたアジア人、外国人が殆どプレーしていない為、良い意味でも悪い意味でも目立つ。
そして2014シーズンの途中から、このクラブに加入した金城基樹が大活躍をしてくれた為、日本人選手に対する評価、イメージが上がり、他の日本人選手への門戸が大きく開かれたわけです。
2014シーズン途中から加入し、同クラブのカップ戦優勝の原動力となった、金城基樹
火曜日の練習前の一コマ。曜日毎に違ったトレーニングウェアが用意されています。
この日の練習は、グラウンド横の傾斜を利用したフィジカルトレーニングからスタート。仕事を終えてから練習に参加しているプレーヤーもいる中、この練習は中々ハードです。
沖縄出身の金城基樹、25歳。外見からは、どこの国籍なのかもはや判別不可能でが、日本人的な繊細かつ正確なプレーが得意です。
そして新加入の2選手をインタビューを交えて紹介します。
湯澤大祐(22歳、175cm63kg MF 桐生第一高校→神奈川大学)
Q オーストラリアサッカーの印象は?
A コンタクトはものすごく強いし激しいです。練習試合では早速後ろからのスライディングタックルを食らい、全治1週間程の怪我をしました。
Q 自分のプレースタイルの特徴は?
A 体も大きくないし、背も高くない分、クイックネスの部分、そして運動量という部分では、オーストラリア人選手には負けない自信はあります。
Q なぜオーストラリアという国を選択したのか?
A サッカーを始めた時から、海外でプレーしたいとう気持ちはありました。さらに英語を学びたいという考えもあった為、英語圏であるオーストラリアを選びました。
Q チームメイト、監督とのコミュニケーションは?
A ピッチに入れば不便はありません。相手が言っていることは雰囲気でなんとなくわかります。ただサッカー以外の会話になると殆どわかりません。
Q 今シーズンの目標は
今シーズン1年目ですが、自分は攻撃の選手で、結果を求められるポジションなので、個人的にも結果を残して、チームの優勝に貢献したいです。
高校時代、群馬のサッカー強豪校である桐生第一でキャプテンを務めていた湯澤大祐、才能があるものの、私生活が問題でダメになっていくサッカー選手が多い中、生まれ持ったリーダーシップ、そして彼の真面目でストイックな性格を見ていると、オーストラリアで成長する可能性を、多大に感じさせてくれる選手です。
川瀬浩太(22歳、187cm73kg DF 札幌藻岩高校→拓殖大学)
Q オーストラリアでサッカーをしようと思った理由は?なぜオーストラリア?
A 自分は背の高さ、フィジカルが売りで日本ではそこが売りでプレーしてきて、ある程度通用してきたという感触がありましたが、オーストラリアのサッカープレーヤーは、自分より全然高く、強い選手が多いというイメージがあり、そういったところを経験し、さらに伸ばす為に、オーストラリアという国を選びました。
Q 実際オーストラリア人とプレーした感想は?
A 今まで経験した事のない、初めての感覚で、まったく違った人間とプレーしているというのが感想です。具体的に言うと、オーストラリア人は足のリーチが日本人より全然長いので、日本人選手相手にプレーした感覚でプレーすると、ボールに全く触れないし、体の厚みもあるので、本当にどうやってもかなわないなと思う選手もいます。
Q オーストラリア人に比べて、ここは負けていないと思う所
A 判断力、足元の技術、読みという部分に関しては、比較的優っていると思うし、この部分で勝てていなければ、総合的に勝つのは難しいと思います。
Q チームメートとのコミュニケーションは
A 正直英語のコミュニケーションに関しては、まだまだ問題だらけですが、そういった部分も含めて海外でのチャレンジに、やりがいを感じます。
Q 今シーズンの目標は
A チームで活躍して、必ずリーグ優勝する事が今シーズンの目標です。お金を貰ってプレーする以上、それに見合うプレーをする事です。
彼の特徴は187cmという身長ながら、ボールタッチが柔らかく、ドリブルも得意としている所。ただ、やはり同じ位の身長のオーストラリア人選手と比べ、体の線が細い為、フィジカルコンタクトではまだ弱い部分があります。そこを本人も自覚しており、早速肉体改造の為にジムに加入し、体重増量用のプロテイン摂取も始めただけあり、今シーズンこのクラブでプレーしながら彼がどのように変わっていくのか、とても楽しみです。
肉体改造の為に、毎日近所のジムでガンガン鍛えている川瀬。しかし周りのオージーに比べると、まだまだ線が細すぎる!
私自身、36歳のおっさんですが、筋肉量はまだまだ若い連中には負けてられません!
という事で、タッパがある彼を、NBA選手のドワイト・ハワードの様な肉体に作り上げるのが、私の目標です!
ドアイト・ハワード
日本人3選手を擁するWollongong Unitedが、今シーズンどんなサッカーをするのか?シーズン開幕は来月です!
豪州フットボーラーズ