10月2日から始まるAFC U-19選手権バーレーン2016の予選に臨むYoung Socceroos（19歳以下オーストラリア代表）の、シドニーで行われているトレーニングキャンプを視察しに行ってきました。
このキャンプの視察は、Young Socceroosと予選で同じグループに入っている日本代表のテクニカルスタッフの方の依頼を受け、日本代表の為の戦力分析という事で行ったわけですが、シドニーＦＣとの練習試合の見学だけでなく、監督であるPaul Okonにも話を聞く事ができました。
今回選ばれたメンバーは、A-Leagueのクラブから15人、海外のクラブから4人、そしてニューサウスウェールズ州のNPLから4人選ばれており、その中でも注目は、日本人の母親を持ち、現在は日本の成立学園でプレーする、オトゥール・コナー。実は個人的に彼の父親と知り合いで、何度かコーヒーを飲みながら、彼の日本での生活、今後のキャリアについて相談を受けた事もある間柄です。13歳の時から、各カテゴリーのオーストラリア代表でプレーしている彼ですが、近日中には日本のパスポートを取得する予定との事で、高校卒業後も日本でのプレーを考えているのかもしれませんね。
オトゥール・コナー。シドニーＦＣとの練習試合では、左サイドバックで途中から出場。持ち前のオーバーラップを何度も見せ、この日のYoung Socceroosの唯一のゴールをアシストしました。まだまだ線は細いものの、ボールタッチ、テクニックはこのチームの中でも上位クラスです。
30分3本で行われたシドニーＦＣとの練習試合では、シドニーＦＣも開幕を目の前にしているという事で、現時点でのベストメンバーで1本目に臨んてきました。そんなメンバーを相手にYoung Socceroosは手も足もでず、1本目は0-2のスコアで終了します。
今回のYoung Socceroosの代表キャプテンを任されるであろう、シドニーＦＣでもコンスタントに出場しているAlex Gersbach。この試合では対戦したシドニーＦＣに押し込まれるシーンが多く、あまり彼の特徴が発揮できませんでしたが、今大会で日本代表が注意しなければいけない選手の一人である事は間違いないです。
この試合で圧倒的な存在感を発揮し、他の選手とのレベルの違いを見せつけた、元セルビア代表のMilos DimitrijevicとMilos Ninkovicの中盤でのコンビ。来年のACL出場が決まっているシドニーＦＣですが、Ｊリーグのクラブとの対戦となれば、要注意の2人です。
オーストラリア代表も、急速に黒人率が上がってきています。この17歳のAlusine FOFANAHは、166センチと単身ながらも、黒人選手特有のバネとしなやかさを持っており、将来フル代表に入ってくる可能性が高い選手です。
このチームで右サイドバックの定位置を確立しつつある、Melborne VictoryでプレーするThomas DENG。
ボランチながらもドリブルで前線へ上がっていき、シュートまで持ち込める形を持っている、Western Sydney Wanderers所属のLiam YOULLEY。
同年代の選手達のプレーを真剣に見つめる、18歳コンビの田中と長。Young Socceroosのプレーに、大きな刺激を受けていました。
最後に、監督への取材の一部をご紹介します。
宮下 「今回対戦する日本代表について、警戒してる選手はいる？」
ポール 「正直、選手については全く知らない。」
宮下 「オーストラリア代表で注目の選手は？」
ポール 「シドニーＦＣでプレーするAlex GERSBACHだね。」
宮下「彼は左サイドバックだけど、攻撃陣で核となってくる選手は？」
ポール「攻撃の主力の何選手かが怪我で今大会に出られないので、代わりの選手達が練習でいかにアピールするかによって、布陣が変わってくるだろう。」
宮下「この年代で、一番強いと思う国は？」
ポール「この年代は、急激に伸びたりする選手もいて、大会によってどの国もメンバーと戦力が変わってくるので、どこが一番強いかは決めづらいが、日本と韓国は基本的にどの年代でも強いね。」
宮下「オーストラリア代表としてプレーしていた時に、日本代表とも対戦したと思うけど、一番うまいと思った選手は？」
ポール「中田、伸二、そしてサンフレッチェ広島のディフェンダー」
豪州フットボーラーズ