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(オーストラリア)九州男児、30歳の挑戦(サッカー)

2015.7.20

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2015年4月、九州から一人のチャレンジャーが、シドニー空港へ降り立ちました。寺本貴生29歳。7月で30歳になる俗に言うアラサーの寺本は、サッカー選手としては決して若くはないこの年齢で、サッカー選手として初の海外チャレンジの為だけでなく、九州とオーストラリアをサッカーを通じて繋げるという大きな目標を掲げ、シドニーへやってきました。

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日本では大分県で社会人サッカーチームを創立し、選手兼監督としてチームを率いていただけでなく、大分県サッカー協会、更には九州サッカー協会のスタッフとして、サッカー活動に精を出していた寺本。今回のチャレンジは、そういった九州のサッカーに携わる多くの人達の応援をバックに成し遂げられた訳です。

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シドニーに来てからは、午前中から昼過ぎまで語学学校に通い、夕方には豪州ソリューションズが運営するサッカースクールや、ローカルの学校で子供たちにサッカーを教えながら、夜はサッカーのトライアル、練習とハードながらも充実した日々を送っていた寺本。そんな彼の努力が実を結び、6月末にはIllawarra Premier Leagueに属するクラブ、Port Kembla FCと契約することができました。

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Port Kembla FCの監督を務めるStuart Beedie氏(左から2人目)は、スコットランド1部リーグでプロサッカー選手として長い間活躍をした経歴があり、監督としてもこのリーグではトップレベルの実績を残しています。そんな彼から「Takaoは中盤でゲームをコントロールする能力に加え、点を取れる技術も持っている、まさに今、このチームが必要としている私好みのプレーヤーだ!」との高い評価を受ける寺本は、海外移籍証明手続きが終了した、彼がチームに合流してから2週間目にして、オーストラリアでの初デビューを飾りました。

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ボランチでのスタメン出場となったこの試合では、交代するまでの約80分間、攻守にわたってチームに貢献した寺本。特に後半、積極的な攻撃参加からのデビュー戦ゴールか?と思われたシーンでは、惜しくも後ろからディフェンスに足を引っかけられ、ゴールとはならなかったもののPKを獲得、寺本自身はPKを蹴らず初ゴールはお預けとなりましたが、そのPKによる1点でゲームは引き分けに終わりました。この試合での監督のStuart Beedie氏の寺本に対する評価は、「デビュー戦としては、彼の今日のパフォーマンスには90点をあげたい。しかしまだこのリーグのフィジカルコンタクトの激しさに、彼は適応していく必要がある」との事でした。

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そして翌週7月11日に行われた試合では、デビュー戦でプレーしたボランチのポジションから、守備的な負担が少ないサイドのミッドフィルダーで先発、攻撃により専念する事ができたという寺本の決勝ゴールにより、1-0でチームが勝利しました。寺本自身、「常に今回の試合が最後と思ってプレーしている」と語っている通り、常に全力で全てを出し切るその姿勢が、契約してすぐに高いパフォーマンスを発揮できている1つの要因となっているのでしょう。

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7月11日の試合後に行われたPort Kembla FCの30周年記念パーティーに、寺本貴生と共に参加してきました。この中央に写っている方は、このクラブのオーナーであるEmilio Salucci氏。大の日本びいきであるEmilioとは、弊社とクラブ間の今後の提携プランについて色々話し合っており、今後日本人選手の受け入れ態勢が、益々整っていくと思われます。

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総勢200人は参加したであろうこのパーティーで、アジア系は私と寺本、そして弊社のカメラマンを含めたったの3人!イタリア系のクラブだけあり、半数以上はイタリアンバックグラウンドを持つ人達で埋め尽くされました。

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イタリア系と言っても、彼らの殆どがオーストラリア国籍という事で、オーストラリアの国歌斉唱もしっかりと行います。様々なバックグラウンドを持つ人達が交わって生活しているオーストラリアですが、オーストラリアという国があってこそ、この国での素晴らしい生活を営めているという感謝の気持ちを常に忘れてはいけませんね。

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このクラブを裏方で支えているスタッフの方々。本当に気さくで素晴らしい人達ばかりです。

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こういったソーシャルの場では、自らどんどん話しかけていく事が重要です。ソーシャルスキルだけでなく、そうやって英語も上達してく訳ですからね。

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Port Kembla FCのトップチームの選手達と。とにかくみんな背がでかいです。平均身長は余裕で180センチはあるでしょうね。

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クラブの今までの歩みを振り返るスライドから始まり、過去に活躍した選手紹介、そして有名コメディアンによるエンターテイメントと続いたこのパーティー。30周年記念パーティーだけあり、イタリアンコース料理も素晴らしかったし、美味しいオーストラリア産ワインも堪能する事ができました。

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現在、シドニーナンバー1の日系エンターテイメント紙である「Cheers」に、毎月記事を連載している私、宮下ですが、8月号は寺本貴生特集という事で記事を書かせて頂きました。こういった媒体を通じて、シドニーの日系コミュニティーにもどんどん彼らの活躍が伝わっていってくれれば思います。

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日本では経験する事の出来なかった、刺激的で毎日新しい発見があるここオーストラリアでの生活。この生活を通じて、寺本貴生は人間的にさらに成長し、多くの人達にこの体験を還元してくれる事でしょう。

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