このプロジェクトを立ち上げてから、一番忙しかったであろうこの1月は、短期留学の高校生を含め、なんと12人のチャレンジャーがシドニーへやってきました。そして昨シーズンからプレーしている選手を含め、現在マネージメント所属の選手の人数が40人を超え、車を新たに1台購入しただけでは間に合わず、先週末は8人乗りのワゴンを借りての遠征に行ってきました。
NSW州の1部、2部に関しては、ポイントシステムの影響で外国人選手が年々契約しづらくなっていて、数年前なら明らかに一回の練習参加で即サインできるレベルの選手達も、契約できずにいるのが現状です。オーストラリアの若手によりチャンスを与える為にと導入されたこのポイントシステムですが、逆にそのレベルに達していないユース上がりのオーストラリア選手がリーグでプレーする事により、リーグ自体のレベルが低下している感は否めなく、オーストラリアサッカーの発展にとって、メリットよりもデメリットの方が多いというのが、僕個人だけでなく、殆どの州1部、2部の監督達の意見でもあります。
数年前までは、NSW州1部のAPIAで活躍し、シドニーFCと契約、2シーズンプレーした森安洋文選手のように、外国人選手でも州リーグで活躍すればAリーグのクラブと契約できるチャンスはありました。しかしここ最近は、Aリーグの各クラブも5枠の外国人枠には、ヨーロッパや南米、アジアで活躍している、若しくは活躍していたプロとして実績のある選手のみを取ってくるようになり、実際、NSW州1部のBlacktown FCで3シーズンの間大活躍し、NSW州1部の歴史で一番の実績を残した外国人選手とも言われている宮澤龍二、昨年Blacktown Spartandsで活躍し、シーズンベストイレブン、年間MVPランキング2位を獲得した佐々木周でさえ、Aリーグのクラブからオファーがなかった事を考えると、州リーグでいくら結果を残そうと、外国人選手として州リーグからAリーグのクラブと契約するとう事は、殆ど不可能といってもいいかもしれません。
オーストラリアにチャレンジに来る選手達は、Aリーグでプレーをする事を現実的な目標としている選手から、サッカーで給料を貰えるレベルのクラブでプレーする事を目標としている選手、ヨーロッパへサッカーチャレンジをしに行く前の前段階として、海外のサッカースタイルを経験しながら、英語の習得をメインに考えている選手、そしてサッカーを通じて英語を学び、オーストラリアの文化を学ぶ事を目的としてる選手まで多種多様ですので、僕自身もそういった一人一人の目的にあったクラブ探し、そしてアドバイスを行っています。
2016シーズンの最年長チャレンジャーである西村純は、シドニーでの生活も約6週間が過ぎ、今日で34歳の誕生日を迎えました。仕事一辺倒の日本での生活から一転し、現在は英語学習とサッカー漬けの生活を送りながら、オーストラリア生活を楽しんでいます。正直サッカー選手としては、現在チャレンジしている選手達の中ではかなり下の部類に入るものの、それでも夢を諦めずに、夢に向かって毎日努力する姿は、若い選手達のお手本にもなっています。
梶山知裕22歳。関西のサッカー強豪校である関西大学のトップチームで試合に出ていただけあり、同じ関西大学出身の佐々木周の様に、今後オーストラリアで活躍するポテンシャルを十分に持っています。
毎年1月後半に行われているMaso Cupは、オーストラリア各地からマケドニアコミュニティーのクラブが一同に集まり、3日間にかけて優勝を争う大会です。今回はWollongongで大会が開かれ、NSW州1部のRockdale City Suns、NSW州2部のBankstown Lionsといった強豪クラブから、昨シーズンのIllawara Premier LeagueのチャンピオンであるWollongong United、同じリーグのShell Cove Barbarians、Cringila Lions、そしてニューカッスル、メルボルンのクラブまで、合計14チームが参加しましたが、多くの日本人選手達も契約選手、もしくは練習生としてこの大会に参加し、各クラブの関係者に自らのプレーをアピールする絶好の機会となりました。
Cringila Lionsでプレーする村下大地。アルゼンチン留学を経験し、スペイン語を多少なりとも駆使する彼は、チームメートとのコミュニケーションも問題ありません。
チームは惜しくも予選敗退。しかし彼のピッチ上でのテクニックは、一際目立っていました。
Wollongong Unitedと契約した、朝鮮大学出身でポーランドの4部でもプレーしていた、アン・ジニャ。左足の強烈なシュートとスピードを活かしたドリブルで、僕の中でも2016シーズンのIllawara Premier Leagueの得点王最有力候補ナンバーワンです。
小柄ながらも意外と強い当たり、そして高い技術力を持つ田所昇。現在、シドニー、そしてウーロンゴンの複数のクラブの練習に参加しています。
先ほど紹介したばかりですが、期待度が高いのでまた紹介します。スーパードリブラー、梶山知裕。NSWプレミアリーグのクラブの練習に参加中ですが、その他にも複数のウーロンゴンのクラブに練習参加し、既にいくつかのクラブからオファーを貰っています。先輩である佐々木周よりもドリブルは上手いですが、総合力ではまだ佐々木周が上。しかしながら彼を超えるポテンシャルを十分に秘めた選手です。
Bankstown City Lionsに練習参加中の堀滉二郎。
この試合の3日前にシドニーへ渡航してきた荒川晶平は、浜松大学サッカー部を卒業後、東京都社会人リーグ1部のHBO東京でコンスタントに試合に出場していた選手で、ヨーロッパでのチャレンジ経験もあるだけに、外国人を相手のプレーにも、多少なりとも慣れた感じが伺えました。
ゴールが決まってチームメートと喜ぶ、三羽悠矢。この試合の後、クラブからとてつもない額のオファーを受けるものの、現在保留中で他のクラブの練習に参加しています。
このクラブの監督は、元オーストラリア代表のポール・カーター氏。佐々木周がMarconiでプレーしていた時の監督でもあります。
試合後にこのクラブと契約を交わした荒川晶平。左はクラブのオーナーですが、写真は実物よりもかなりマイルドに写っています。実物はもっと迫力がありますが、実際は見た目によらずかなりソフトで良い人との評判です。
アン・ジニャの左サイドでのドリブル突破からのシュートはゴールネットに突き刺さり、観衆からは歓声が沸き上がりました。
この日参加した選手達の一部。朝から晩まで一日中会場にいました。
NSW州3部、Balmain Tigersの20歳以下のチームでプレーする長廉太郎。
同じチームでプレーする田中心晟
フォームは決まってるけど、
シュートの精度を上げないとな。
NSW州1部、Parramatta Eaglesの20歳以下のチームの練習に参加中の五木田悟。
契約が掛かったこの練習試合では、そこそこのパフォーマンスを見せていました。
同じHBO東京出身の五木田悟の練習を見たいという事で誘ったのに、スタンドの座席に座るや否や、深い眠りに落ちる西村純。
この試合後、晴れてこのクラブでの契約となった五木田悟。一軍でプレーするには、超えなくてはいけない課題が山積みですが、まだ19歳なので、伸びしろは十分にあります。
語学学校での西村純。女性の生徒に囲まれているせいか、五木田悟の試合の時の眠そうな表情とは全く違った、ものすごく楽しそうな表情を見せながら授業を受けていました。
我が家の黒犬と黒猫。仲はめちゃめちゃ悪いです。
明日もまた一人、日本から選手が到着します。この選手についても、また次回のブログで紹介したいと思います。
豪州フットボーラーズ