この時期になると、来シーズンに向けた選手のクラブとの契約更新も、僕の仕事の一つとなります。シーズン中にも電話でクラブのオーナー、監督と綿密に連絡を取りあうだけでなく、試合会場に直接足を運んで世話話をする事により、少しでも彼らとの信頼関係を築けるように努力していますが、やはりお金の問題が絡んでくる契約の話ともなれば、一筋縄ではいかないのはこの世界も同じです。
今シーズン、チームのエースストライカーとして12ゴールを記録し、自身が所属するWollongong Olympicの快進撃の立役者となった上田祐輔。彼のピッチ上の圧倒的なパフォーマンスだけでなく、ピッチ外での振る舞いもクラブの首脳陣から高く評価され、シーズン中盤には既に同クラブから延長のオファーを貰っていたものの、本人も様々な選択肢を考慮した上での、レギュラーシーズンが終了したこのタイミングでの契約更新の交渉となりました。
このクラブの代表を務めるChris Agro氏。Wollongong中心街の目抜き通りでレストランを経営する彼は、クラブ所属の選手に対し、レストランでの飲食はいつでも無料で提供するという太っ腹な性格の持ち主で、この地域のサッカーリーグ、そしてこのクラブの発展に長年関わってきた人物です。僕と上田がテーブルに着くや否や、食べたい物を何でもオーダーしていいよと進めてくるChris氏。コーヒーと軽食をつまみながら、世間話から今シーズンの上田のプレーに対する評価、賛美へと続いたところで、本題の給料交渉に入ります。
今シーズンの上田の活躍を考えた時、ある程度の給料アップが期待されたものの、クラブが提示してきたオファーは、多少期待外れな金額。もちろんこのリーグではトップクラスの額を貰っている彼ですが、ここは引き下がっては交渉人の面子が立たない!という事で約30分粘り、何とか双方が納得できる条件で契約更新をしました。契約更新後には、レストランのスウィーツが並ぶカウンターの前で、笑顔でポーズをとる上田。このクラブと契約すれば、このスウィーツも食べ放題ですので、スウィーツが好きなサッカー選手は、是非このクラブでのプレーを考えてみては如何でしょうか?(笑)
現在、日本に居ながらも、このリーグの多くのクラブから来シーズンの補強の為の連絡が入ってきており、それと同時に、来シーズンのニューチャレンジャー達が既にオーストラリアに到着し始めています。
先週金曜日に到着した崎山諒一。沖縄県出身で鳥取県の米子北で第92回全国高校選手権大会にも出場してる、21歳の期待のニューチャレンジャーです。僕がいない間は、寺本貴生にビシバシ鍛えてもらいます。(笑)
今後も続々とチャレンジャー達がオーストラリアに到着予定ですが、まだまだ来シーズンのチャレンジャーを募集中ですので、ご興味がある方はご連絡下さい!
豪州フットボーラーズ