今シーズン初めて、西村純の試合を観に行った。
相変わらず、ピッチ上での彼は熱かった。
【今年のチームは、去年のチームより、みんな優しくて、凄い居心地がいいんですよ】
と、僕に会う事に、嬉しそうに話してくれた純。
所属するKiama FCの練習場まで、週二回、片道二時間半を掛けて通った。
トップチームで出場しないと、給料は発生しない。そして開幕から一回たりと、トップチームで出場した事はない。
それでも、サッカーを愛する気持ち、このクラブを愛する気持ちがあるからこそ、この日の最終節まで、ピッチ上で懸命にボールを追い続ける事ができた。
技術的には決して【巧い】選手ではない。巧いか下手かといったら、むしろ【下手】な選手である。
しかし、サッカーは【足先】だけでやるものではない。【気持ち】がもっと重要だという事を、彼はピッチ上で表現しているのだ。
この日は【サイドバック】でプレーしたり、【フォワード】でプレーしたりと、大忙しだった純。
苦手としていた【ルックアップ】、そして【シンプルにボールをさばく】技術も、かなり上達した。
私生活では、【スーパー謙虚な男】として知られているが、ピッチにひとたび足を踏み入れると、【危険な男】に変する純。この試合でも、相手選手と一触即発の場面が。
チームメイトが仲裁に入り、何とか事なき終えたこの場面。
それでもまだ、目で相手を威嚇する純。
ピッチ外とピッチ内で、ここまで表情が変わるサッカー選手もなかなか珍しい。それだけ【サッカーに対する情熱】が、激しいという事なのだろうか。
結局、1-0でチームは敗戦。試合終了のホイッスルが鳴った直後のこの後ろ姿が、今シーズンの彼の気持ちを代弁していると言えるであろう。
結局最後の最後まで、笑顔を見せてくれなかった純。そんな彼から、【現役続行】の言葉が漏れかけたが、真相やいかに?
とりあえず、一シーズンお疲れさまでした。
豪州フットボーラーズ