豪州フットボーラーズ
COLUME

(オーストラリアサッカー)下から這い上がってきた男

2019.6.2

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長崎の強豪、長崎日大高校サッカー部の出身ながら、トップチームに殆ど絡むこともなく、【実績、経歴なしの選手】としてオーストラリアへ渡ってきた、田中心晟。

当時18歳だった彼は、判断の悪さやボールタッチの粗さといった、粗削りなプレーが目立つプレーヤーであった。

しかし持って生まれたスピードは驚異的なものがあり、磨きをかければ十分に才能が開花するであろうとの、期待も持たせてくれた。

オーストラリアでの一年目の田中心晟

一年目は、地域アマチュアリーグから、State Leagueに所属する、Balmain Tigersのアンダー20(2軍)でプレー。

二年目には主戦場をSouth Coastに移し、Illawarra District Leagueに所属する、Fernhill FoxesYouth Grade(3軍)で得点を量産。

その活躍が実り、三年目となる2018シーズンには、Fernhill FoxesFirst Grade(1軍)との契約を結ぶことに成功した。

【 Illawarra Premier League、Fernhill Foxesでプレーする、 田中心晟】

2018年のオフシーズンには、Fernhill Foxesから契約延長の打診があったものの、2019シーズンは、NPLの舞台でプレーするという目標を立てた田中。

そして昨日(2019年2月5日)、長いトライアル生としての期間を経て、NPL2に所属する、Blacktown Spartandsとの契約を結ぶ快挙を、見事に成し遂げた。

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【Blacktown Spartandsの監督と田中心晟】

来豪当時、【Because】という英単語の意味さえ分からなかったこの男が、今はこのチームの監督と何不自由なく、英語でやりとりをしている。

この姿を見た時、今回のこの契約はサッカーの実力だけでなく、英語でのコミュニケーション能力も大きな役割を果たしたに違いないと、感じざるを得なかった。

日本での実績、経歴が全くなくても、NPLという舞台に立ち、サッカーで給料を貰えるという事を証明してくれた田中。

しかしまだスタートラインに立っただけ。本当のチャレンジはこれからだという事は、本人も十二分に自覚しているに違いない。

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