国士舘大学を卒業してオーストラリアへ渡航してきた小野寺樹と、流通経済大学を休学してオーストラリアへ渡航してきた浪田恵莉。
現在、アマチュアクラブである Bankstown Dragonsでプレーし、来週からNPL2のクラブに移籍が決まっている二人だが、ここまでの彼女達の道のりは、決して平たんではなかった。
今年の初めにNPL1のクラブの練習に参加し、高評価を受けていた小野寺と浪田。
しかしここで、浪田にアクシデントが襲い掛かる。
かかとの骨を骨折し、全治3か月という診断。
そして浪田の怪我に動揺を感じたのか、パフォーマンスがいまいち上がらない小野寺も、結局このクラブだけでなく、その後に練習参加したNPL2のクラブからもオファーを貰えず、大学の卒業式の為に、1か月間日本に帰国する事に。
それから3か月たった、4月の初旬。
NPLのシーズンがちょうど始まったタイミングで、二人は再びオーストラリアのピッチに戻ってきた。
移籍期間にNPLのクラブへ移籍できるという条件で、Bankstown Dragonsという、【豪州ソリューションズ】と提携しているアマチュアクラブの女子チームに入団する事になった小野寺と浪田。
このチームで彼女達は、その才能を爆発させる。
小野寺樹
浪田恵莉
相手を圧倒する実力で、毎試合得点を量産する二人。
僕自身、もはやこのリーグでプレーさせるのが申し訳なく感じるぐらいの、彼女達のパフォーマンスだが、監督にとっては二人がこのチームから去ってほしくないというのが、本音である。
このチームの監督である、George Marko氏。
練習日から試合日まで、毎回車で彼女達を送迎し、時には食事も奢ってくれる。
二人に対して本当に良くしてくれているジェントルマンだ。
僕の知人を通じて、オーストラリアの公共放送局である、SBSから取材の話が舞い込んできた。
オーストラリアでサッカーをプレーしている、日本人女子選手をインタビューしたいと。
彼女達の存在を多くの人達に知ってもらえる、素晴らしいチャンスだ。
平日の夕方時に約2分程テレビで放映された、彼女達のストーリー。
その中のインタビューでも、二人とも英語で堂々と受け答えする姿を、見る事ができた。
オーストラリアに来た当初よりも、明らかに英語に対する自信がついている。
オーストラリアでの生活を楽しみ、サッカーを心底楽しみながらプレーしているからこそ、その自信が表情にあらわれているのではないであろうか?
来週から新チームで活動を始める中で、全てが上手くいくとは限らないし、困難にぶち当たるかもしれない。
そういった中でも、彼女達ならきっとそれを、上手く乗り越えてくれると信じている。
豪州フットボーラーズ