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(オーストラリア)NPL NSW Men’s3第18節 Rydalmere Lions vs Hills Brumbies (サッカー)

2016.1.8

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数年前から弊社とビジネスパートナーとして提携している、Tony Basha氏が率いるRydalmere Lionsですが、オフシーズンには上のカテゴリーから数人の選手を獲得し、更に6月の移籍期間にもNPL1のクラブでスタメンレベルでプレーしている選手を獲得する等、NPL2昇格に向けて大金を投じるものの、第17節を終了した時点でのクラブチャンピオンシップは暫定3位と、昇格にはかなり厳しい状況に置かれています。そういった中での第18節は、このリーグの首位を走るHills Brumbies。この対決でU18からトップチームの3試合を全て勝利する場合はまだ昇格への可能性を残す事ができる為、Rydalmere Lionsにとってこの3戦は、シーズンで一番重要な試合となりました。

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18歳以下の試合では、0-3で敗れたRydalmere Lions。20歳以下の試合では後半終盤まで1-1のスコアが続く中、試合終了間際に住吉孝介のアシストから得点が生まれ、Rydalmere Lionsが劇的な勝利を掴み取ります。

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劇的な勝利の立役者となった住吉孝介。試合終了後の監督との握手の際には、感極まって目頭が熱くなります。

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この日のメインイベントであるトップチームの試合、三羽悠矢はセンターバックでスタメン、怪我明けの樽谷誠司はベンチスタートとなりました。

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この日、三羽悠矢とセンターバックでのコンビを組んだMatthew Mayoraは、2009シーズンにNSW Premier Leagueで得点王を獲得し、Aリーグだけでなく、インドネシアやインドといった海外でもプロとしてプレーした経歴を持つ選手ですが、今シーズンRydalmere Lionsに加入以来、本来のストライカーのポジションからセンターバックに転向し、プレーをしています。

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前半早々に得点を決めたRydalmere Lions。このまま勢いに乗って欲しかったのですが、、

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本来のボランチのポジションからセンターバックでのプレーを命じられた三羽悠矢。ボランチに入った選手が全く良くなく、相手に中盤を支配される結果となっただけに、この三羽のボランチでの起用にはクエスチョンマークが残りました。

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不慣れなボジションながら、体を張ったプレーで相手フォワードを良く抑え込んだ三羽。

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かなり気温が冷え込んだのにも関わらず、NPL2への昇格を左右するであろう重要な一戦を見る為に、多くの観衆が会場に足を運びました。

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先取点を取ったものの、前線の選手の動きがバラバラで全くと言っていいほど攻撃の形を作れず、逆に組織でしっかりとボールを回して攻めてくるHills BrumbiesにRydalmere Lionsは、立て続けに失点を喫します。

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Rydalmere Lionsの不甲斐ない攻撃陣を横目にしながら、念入りにウォームアップを施す樽谷誠司。

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相手に試合を支配されている苛立ちからか、Rydalmere Lionsの選手がHills Brumbiesの選手を挑発し、乱闘に発展します。

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そして後半10分、ついに樽谷誠司がピッチに投入されます。

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大学時代は関西学生選抜まで上り詰めた樽谷誠司のプレーを初めて見た時、彼の体のキレとターンには脱帽してしまいましたが、そこから8カ月が経ち、内外共に成長を遂げ樽谷は、この日のピッチ上でも輝きを発していました。

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樽谷投入後、明らかに攻撃の流れが良くなったRydalmere Lionsが一点を返し、相手に一点差まで詰め寄りますが、その直後、Hills Brumbiesのスーパーゴールが生まれます。

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味方からの浮き球を胸トラップし、反転してからのボレーシュートがゴールポストの隅に突き刺さります。これにはゴールキーパーも一歩も動けません。オーストラリアフットサル代表を3人擁するHills Brumbiesなだけに、フィジカルコンタクトの強さはもちろん、足元の技術もしっかりしている選手も揃え、そこにチームとしての戦い方も各選手がしっかりと熟知している為、現在のリーグ首位というポジションにいるのだと思います。

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樽谷に続き、Rydalmere Lionsは、イングランド2部でのプレー経験を持つ大型ストライカー、Lloyd Owusuを投入して反撃に出ます。

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開幕スタメンを張ったこの2人の投入以降、明らかにRydalmere Lions攻撃が機能し始めただけに、せめて樽谷だけでももう少し早い段階での交代が好ましかったのですが、二点ビハインドの状況からでは時間が足りず、後半終盤にRydalmere Lionsが一点を返すものの、このまま終了のホイッスル。今シーズンの大一番の勝負はHills Brumbiesに軍配が上がりました。

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試合終了後に肩を落とす三羽裕也。センターバックという不慣れなポジションでプレーする中、ミスは多少あったものの、決して悪くないパフォーマンスを見せてくれました。

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この日、日本のビジネスパートナーである小林卓氏(写真左)と短期留学中のフットサル日本女子代表の藤田実桜さん(写真右から2番目)も、試合観戦に訪れました。

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この試合の敗戦で、NPL2への昇格がかなり非現実的となってしまったRydalmere Lionsですが、この日にAリーグのCentral Coast Marinersとの練習試合が8月17日に決定し、そこでのパフォーマンス次第で、同クラブとの契約のチャンスもあるという事だけに、彼ら二人にはその試合で最高のパフォーマンスが出せる様、引き続きストイックにトレーニングに励んで欲しいと思います。

(写真撮影:寺本貴生)

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