シドニーから北部へ車を飛ばして約2時間半、今年初めに行われたアジアカップの日本代表の初戦の地、ニューカッスルに一泊二日の旅程で行ってきました。今回は、このブログ初登場である、朝鮮大学出身の在日朝鮮人、高尚人(コウサンイン)、通称コサの試合を観に行くのがメインです。
コサがプレーするクラブはBroadmeadow Magic FCと言い、Nationa Premier League Northern NSW(オーストラリア2部)に所属しています。外国人枠2枠という競争に勝ち抜いてこのクラブと契約したコサ、フィジカルコンタクトが激しいこのリーグ で開幕当初は苦戦し、ベンチスタートが続いたものの、徐々にリーグのスタイルに適応し、リーグ中盤以降はスタメンのボジションを確保しました。
今回の試合はFFA CUP(日本でいう天皇杯)のベスト16を掛けた戦い、Broadmeadow Magic FCの相手はHeidelberg United FCという、メルボルンがあるVictoria州のPremier Leagueの強豪クラブです。このラウンドから、ケーブルテレビでの生放映と、Youtubeでの生配信が行われる為、会場であるMagic Parkには本格的な撮影セットも作られ、顔なじみの解説者の姿も見えます。
両チームの選手達が入場。コサの姿が見当たりません。
今までリーグ戦ではずっとスタメン出場だったのに、この大一番に限ってベンチスタートのコサ。出場チャンスはあるのか?
この試合会場の直ぐ隣には、2015アジアカップで日本代表の初戦であるパレスチナ戦が行われたHunter Stadiumがあります。日本代表の決勝トーナメント一回戦での敗退という、誰しも予想しなかった結果に終わったアジアカップ。このスタジアムを眺めていると、あの時の思い出が胸をよぎっていきました。
真冬の平日の夜間にも関わらず、かなりの地元サポーターで埋め尽くされたこの日のMagic Park。メインスタンド側には15人弱のアウェーサポーターの姿も見えました。
この日の公式入場者数は1800人。ゴール裏まで埋め尽くされたサポーターの応援を背に、何とか勝利を掴みたいBroadmeadow Magicですが、地力に勝るHeidelberg Unitedが前半に3点を決め、ハームタイムに入ります。
そして後半15分、コサが遂にピッチに投入されます。
中盤のポジションで投入されたコサ、大観衆を前にアドレナリンはマックス状態!
元Aリーグ選手数人を擁するHeidelberg Unitedを相手に、中々ボールを保持できないBroadmeadow Magicですが、ガソリンが満タン状態のコサは、とにかく走り回って相手にプレッシャーを与え続けます。
周りの選手に比べて背は高くないものの、それを補う跳躍力とタイミングで、ヘディングも結構競り勝ちます。
Magicの横断幕を背に走り続けるコサ。コサの投入後、流れが徐々にBroadmeadow Magicに傾き始めます。
ピッチ上に立つ唯一のアジア人プレーヤー、コサ。それだけに否が応でも、一つ一つのプレーが注目され、目立ちます。
流れの中からBroadmeadow Magicが一点を返し、会場はこの日で一番の盛り上がりを見せます。
今回、私自身、初めてVictoriaのNPL1のクラブの試合を生で見る事ができましたが、想像以上のレベルの高さにびっくりしました。NSWのNPL1と比べても、全然見劣りしていないというのが感想です。
この後、Broadmeadow Magicの怒涛の攻めを見せますが追加点を取れず、試合終了のホイッスル。昨年に続き、Broadmeadow Magicはベスト16の壁を突破する事はできませんでした。
前日に長期の海外滞在から帰ってきたキャプテンをスタメン出場させる等、監督の采配には疑問符を投げざるを得ないというのが本音ですが、それでもVictoriaリーグの強豪を相手に、選手達はよく戦ってくれました。
一眼レフを触ったこともない通りががりのおばさんにお願いして、コサと一緒にワンショット。ピントが合っていて良かった(笑)。
高尚人(コウサンイン)23歳。彼のオーストラリアでの挑戦は始まったばかりです。
最後にニューカッスルからシドニーへの帰り道に立ち寄った場所です。こんな素晴らしい自然を独り占めできるオーストラリア、本当に素晴らしい国です。
豪州フットボーラーズ