シーズン開幕当初は、言葉の壁や、サッカースタイルの違いにうまく適応できず、Bankstown Unitedの2軍でプレーする事が多かった、中野陽樹。
そんな中野ですが、センターバックというポジションで、2軍の試合で地道に努力し続けた結果、シーズン中盤からは1軍のスタメンに定着しました。
守備のポジションながら、5ゴールを記録した中野の活躍もあり、レギュラーシーズンを優勝で飾ったBankstown United。残念ながら、18歳以下、20歳以下のチームの総合成績で決まるリーグ昇格は逃したものの、ファイナルシリーズでも順当に勝ち続け、決勝の舞台まで上がってきました。
相手は、この決勝の2週間前に行われたファイナルシリーズの第一戦目で、4-1で快勝を収めているCamden Tigers。
Bankstownにとっては、シーズンを通じて2勝1敗と勝ち越している相手だけに、自信を持って試合に臨んだこの一戦。Camden Tigersが前半の早い時間帯で退場者を出した時点で、会場につめかけた多くの観衆は、Bankstownの優勝を予想しました。
そんな観衆の予想とは裏腹に、Bankstownがこの数的優位を活かしきれないまま、1-1のスコアで試合は延長に突入します。
中野のゴールラインを割ったかと思われたシュートは、惜しくもオフサイドの判定。
延長で2点を先取されたBankstownは、延長後半終了間際に、1点を返します。
しかし、100分以上を10人で戦ってきた相手に対し、Bankstownは一度もリードをすることのないまま、試合は2-4で終了。
リーグ優勝、そしてファイナルシリーズでの優勝を目標に、日々のストイックなトレーニングを積んできた中野も、最後は力尽きて、グラウンドに倒れこんでしまいます。
NSW State Leagueファイナルシリーズ優勝、そして来シーズンより、NPL3に昇格するCamden Tigers。
準優勝のメダルを手にする中野の表情からは、このファイナルで勝てなかった悔しさが、滲み出ていました。
監督からの信頼も厚く、Bankstownからは、既に来シーズンのオファーを貰っている中野。
来シーズン、彼がどんな進路を選択しようと、今シーズンのBankstownでの経験が、今後の彼のサッカー人生に必ず活きてくることは間違いありません。
【この試合の模様を撮った動画はこちらから[E:up]】
豪州フットボーラーズ