佐橋大輔、23歳。
高校時代は、Jリーグのユースチームでプレー。
そして現役一般受験で、早稲田大学へ入学。
大学サッカーの強豪、早稲田大学サッカー部の入部テストを受けるも合格できず、社会人リーグでサッカーを続けながら、オーストラリアチャレンジへの準備をする。
2017年2月に渡豪。エキサイティングなシドニーでの留学生活が、スタートするはずだった。
しかし、シドニーへ到着した直後、右足首の負傷に見舞われ、ボールさえ蹴れない日々が数週間続く。
怪我から復帰後、実戦感覚を取り戻すために、ローカルのアマチュアリーグ 【Central Sydney Wolves 】で、約3か月プレー。
ここでオーストラリアサッカーの激しさを体感するものの、持ち前のガッツを前面に出すプレーで相手を圧倒、セミプロクラブへの移籍へ向けて順調な仕上がりを見せる。
【Woonona FCと契約した佐橋大輔のインタビュー動画は[E:#x1F446]から】
そして6月の中旬、Illawarra Premier Leagueに所属するWoonona FCと契約。セミプロチームでプレーするという、シドニーでのサッカーの目標を達成する。
このチームで約10試合、ボランチとしてプレーし、充実した半シーズンを送る。
オーストラリアでのシーズンが終了後、日本へ帰国し就職活動を開始。そして2018年6月、倍率300倍を見事に勝ち抜き、大手外資系メーカーB社の内定を貰う。
【面接時に、横に慶応大卒の長身イケメンがいて、英語もかなり堪能に話している姿を見たとき、(こいつに勝つのは無理だわ)と思ったんですけど、彼は結局ダメで、僕が採用になりました(笑)。】と面接時の逸話を話してくれた佐橋。
後で面接官からは、【佐橋君が海外生活、そして現地のクラブでサッカーをプレーしたという話を聞いたときに、うちが求めている、【国際的に活躍できるポテンシャルを持った、ユニークな人材】にぴったりだと思ったんだよね。それが採用の一番の理由かな?】と伝えられたという。
【2018年7月から約1か月間、ニュージーランドのSouthland Unitedでプレー。】
世の中の基準で言えば、彼は今、【勝ち組】というポジションにいるのかもしれない。
大手外資系メーカーでの勤務、安定した給料、そして数年後には、ヨーロッパでの勤務というオプションもある。
しかし佐橋からは、【安堵】や【安心】といった類のものは、まったく感じられない。
【大企業に入れば、一生安泰】、そんな時代はとっくに過ぎ去っている事を彼は知っているし、一生勤め上げる気もない。
実力主義の外資系なら、なおさらだ。
佐橋は、これから本当の意味で、【人生の戦いが】始まるという事を、十二分に理解しているし、やるべき事も解っている。
【オーストラリアでサッカーをプレーしていなかったら、今回の会社から、絶対に内定を貰えなかったと思います。オーストラリアでプレーしながら英語を話す自信であったり、行動力、精神的な強さというものを相当身に付ける事ができました。もしオーストラリアに留学せずに、日本に残っていたら、頭でっかちのままだったと思います(笑)。これまでたくさんの人に支えられながらここまで来れました。今後は社会人として、社会に貢献できる人間となれるよう、一生懸命に頑張っていきたいと思います。】
ニュージーランドからわざわざシドニーへ会いに来てくれた佐橋と。今まではサポートをする側と受ける側という関係だったが、今後は同等な、友人としての関係を築いていければと思う。
豪州フットボーラーズ