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(オーストラリア)染谷祐一インタビュー(サッカー)

2015.2.3

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出会いがあれば、別れもある。毎年、日本から来る選手がいる半面、日本へ帰国していく選手もいる訳です。中には、気付いたら帰国してた選手や、家賃を滞納して、夜逃げするように日本に帰国していく人間もいたわけですが、この仕事をやっていてつくづく感じる事が、私生活がどうしようもない人間は、サッカー選手としても絶対に上でやっていけないという事です。そんな中、今回ご紹介する染谷祐一君は、常に謙虚で、他人に対して感謝する気持ちを忘れない、とても素晴らしい青年です。

今回、2年間に渡るオーストラリアでのプレーを終え、日本へ帰国する事が決まっている染谷祐一君に、オーストラリアでのサッカー及び、生活について、振り返ってもらいました。

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宮下:まずはオーストラリアでの2年間を振り返って見て

染谷:サッカーに関しては、思っていたより厳しかったなというのが率直な感想です。日本でプレーしている外国人選手の気持ちが分かったという訳ではないですけれど、外国人枠があるリーグの場合、クラブでトップの実力がないと契約してくれない、契約したとしてもゲームで使ってくれないとうのが現実ですが、その反面、レベル自体に関しては、やれない事もないなというのが実際プレーをして見て、感じたところです。 生活に関しては、英語に関してはまだまだ全然満足できるレベルではないですが、2年もいればそれなりに上達するもので、バイト先でも英語で対応できる位にはなれたな、といったところです。

宮下:オーストラリアで発見したものは?

染谷:サッカーに関しては、オーストラリア人の球際の強さ、精神力の強さを感じました。こっちは練習で下手な選手でもゲームになると力を発揮する選手が多く、実際の試合で戦える選手が生き残っていくという事を強く感じました。生活に関しては、こっちはみんなリラックスしている、有給もしっかりとる半面、ルーズな面も多少ありますね。ただ、こっちでの生活は思っていた以上に充実した2年間となりました。

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宮下:日本に帰ってからの予定は?

染谷:まずは日本でのサッカーチームを見つける事、そして仕事を探す事ですね。

宮下:このオーストラリアでの経験を日本でどう生かしていく?

染谷:サッカーに関しては、オーストラリアでプレーしながら得た経験を日本でプレーするチームに伝えていければと思います。こっちに来て、今まで日本でサッカーをしながら気づかなかった事に多く気づいたので、そういった部分を少しでも伝えていければと。仕事に関しては、英語を少しでも使った仕事に従事できればと考えています。チャンスがあれば英語の教員免許を取って、英語教師という道もありかなとは思っています。英語はここで終わりにしたくないなと。

宮下:最後に一言!

染谷:この2年間のオーストラリアでの生活が、今までの自分の価値観というものを180度変えてくれました。日本で教師として社会人をしていた頃は、現状の自分の満足していた部分がありましたが、オーストラリアで生活する事により、今後グローバルな世界で活躍していく為には、毎日成長していかなくてはならない、自己啓発の重要性をヒシヒシと感じました。この2年間のオーストラリア生活でお世話になった、全ての方に感謝の言葉を差し上げたいです。ありがとうございました。

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今まで、サッカー選手としてのプレーは一流だけれど、人間性の部分で問題があり、試合に出れなかったり、途中で首になった選手を数名見てきました。どんなカテゴリーであれ、日本人選手としてオーストラリアでプレーするという事は、日本人という看板を掲げて、スポーツ外交官として活動しているという意味でもあり、ピッチ内でのプレーだけでなく、ピッチ外での振る舞いも、日本人のイメージに多大に関わってくるわけです。そういった意味では、この染谷祐一、そして同じクラブでプレーした伊藤輝樹に関しては、オーストラリアでのスポーツ外交官としての役割を120パーセント、果たしてくれました。別に日本人のイメージを上げる為にオーストラリアにサッカーをしに来てるわけじゃねーんだ、と言われたらそれまでですが、少なくても私がお世話する選手に関しては、今後はそういった意識を持ってプレーできる選手のみをサポートさせて頂きます!

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