まずはこちらの記事から読んでいただきたい。
2019シーズン、NPL2のBankstown Berriesでスタートを切った犀川だったが、移籍期間にNPL3のSD Raiders FCへの移籍を決意する。
選手達のモチベーションが低いNPL2のクラブでプレーするよりも、昇格争いに向かってやる気がみなぎっている、NPL3のクラブでのプレーを選んだのである。
この犀川の加入も手伝ってリーグ優勝を果たし、2020シーズン、NPL2への昇格を決めたSD Raiders FC。
クラブからも当然再契約のオファーを貰ったものの、直ぐにはイエスと言えなかった。
NPL1でのプレーを目標としている彼にとって、もう一年NPL2でプレーする事は果たして正しい選択なのであろうか?
少し考える時間が欲しい。
そうクラブには伝えた。
再契約の話から数日後、犀川はこのクラブとの契約書にサインをした。
一年目、State Leagueでプレーしていた時の10倍近い給料。
NPL2では破格ともいえるこの条件を、クラブ側が提示してくれたのだ。
金額だけで決めたわけではない。
それぐらい自分を評価してくれている、そして必要としてくれている事に感動したからである。
現在犀川は、フィットネスの専門学校に通いながらサッカーをプレーしている。
英語でフィットネスを学び、英語環境の中でサッカーに打ち込む。
もしオーストラリアに来ていなかったら、今頃自分は日本で何をしていたのだろうか?
今の生活が充実しすぎているからこそ、そんな事を考える事もしばしばある。
日本では全く無名だった自分が、オーストラリアでサッカーで十分に生活できる給料を貰いながら生活している。
高校、大学時代に自分よりも上手かった同期達は、殆どサッカーを辞めているという現実。
サッカーができるのは日本だけではない。
そして何より、人生を豊かにさせる素晴らしい経験を海外でできるとしたら?
将来的には日本の大学を回って、講演会を行いたいと考えている犀川。
自分のオーストラリアでの経験を、より多くの人達に伝えたい。
もっと多くの若者達が、海外に出てチャレンジして欲しい。
この男がオーストラリアでのチャレンジを終えるとき、一体どんなストーリーを書き上げる事ができるのであろうか?
そのストーリーをより多く書く為に、僕は犀川を追い続ける。
豪州フットボーラーズ