先週月曜日から始まった移籍期間。
このタイミングでチームから戦力外通告を言い渡された選手から、オファーはないものの、他のチームへの移籍を希望する選手、そして他のチームからオファーを貰う選手がいる。
チームから戦力外通告を言い渡された選手の場合、リーグのレベルさえ落とせば、次のプレー先を見つける事は困難でない。
他のチームへの移籍を希望する場合、その選手が所属チームにとって不可欠な存在であれば、チームが放出に難色を示し、余計な時間を食う場合がある。
そして所属チームがありながらの、他のクラブへの練習参加は規定上は禁止されている為、所属チームを辞めてから練習参加をしなければならず、最終的にプレーするチームがなくなるといった事も起こりえる。
他のチームからオファーがある場合は、上のリーグから好条件でのオファーがある場合と、同じリーグ、もしくは下のリーグから、あまり変わらない条件ながら、ゲーム出場機会の保証といったオファーがある場合が多い。
今回の移籍期間も例年通り、僕はこういった複数の移籍ケースを、ハンドリングしている。
シーズン開幕から殆ど出場機会が与えられないまま、移籍期間が始まる前の週にクラブから戦力外通告を言い渡された、中野太愛(20)。
昨年、Bankstown Unitedのアンダー20のゴールキーパーとしてプレーし、クラブのリーグ昇格と共にトップチームとの契約を結んだ彼。
しかし、昨年からトップチームでプレーしている選手の壁は高く、結局リーグ戦では一度も出場機会を与えられる事がないまま、チームを去る事になった。
一つ下のリーグでチームを探す事も考えた彼。
そんな中、学業も忙しくなり、移籍に関して余計なストレスを抱えたくないという本人の希望で、今シーズンは、アマチュアクラブであるBankstown Dragonsでのプレーを決めた。
オーストラリアにはまだ数年滞在予定である中野。
この苦い経験を糧に、2020シーズンには再びNPLの舞台に戻って来れるよう、新しいクラブでの活躍を期待したい。
流通経済大学を休学し、今年の初めにオーストラリアへ渡航してきた、 浪田恵莉。
NPL1のクラブでの練習参加中、かかとの骨を骨折し、長期離脱を余儀なくされる。
そこから必死のリハビリで、4月の頭にピッチに戻ってきた彼女。
長らくボールを蹴っておらず、実戦感覚を取り戻すという意味でも、移籍期間まではアマチュアリーグのチームでプレーする事に。
そのアマチュアリーグでは得点を量産し、試合を観に来ていたNPLの監督からオファーを貰う。
そして今週、NPL2に所属するNepean FCとの契約書にサインをした。
彼女の場合、アマチュアクラブからセミプロクラブというステップアップの移籍だった為、アマチュアクラブの監督も、この移籍を手放しで喜んでくれた。
今週末から試合に出場する事が予想される浪田。
自分の好きなサッカーで給料が貰えるという環境を、目一杯楽しんで欲しいと思う。
その他、まだ決まってはないのでここでは公表できないが、複数の選手が新しいチームへの移籍に向けて動いている。
僕自身が、選手達のチームの関係者とやり取りをする場合が大半である為、その過程で彼らとの関係が大きくこじれる事もある。
これだけの多民族が住んでいるオーストラリア、それだけに癖が多い人が多いのも確かだ(笑)。
しかし、僕の仕事はあくまでも、選手の利益を最優先する事。
選手の立場を理解してくれないクラブとは、どっちにしろその関係は、長続きはしないだろうから。
そんな訳で、移籍期間が終わるまでは忙しい日々が続きそうだなー。
豪州ソリューションズ