オーストラリアのセミプロリーグでプレーする事を目標とし、毎年多くの若者たちが、この地へやってくる。
中には、初回のトライアル、練習参加でチームからオファーを貰うチャレンジャーがいる反面、10チーム以上のチームに参加しても、オファーを貰えないチャレンジャーもいる。
この、【オファーを貰えないチャレンジャー】に関して言えば、その時点で、単純にセミプロリーグでプレーする実力が足りないというケースが殆ど。
ただ、【その時点で】との言葉が示している通り、本人達の努力次第では、そこからセミプロリーグでプレーする事も決して不可能ではない。
オーストラリアという外国で、日本とは異なったサッカー環境、そしてサッカースタイルの中、即座に自分の実力を十二分に発揮する事は、容易ではないといえる。
その環境、スタイルに慣れる為には、とにかく試合をこなしていく事も必要だ。
そのようなチャレンジャー達に、【試合経験を積める】場を提供する為に、僕はオーストラリアの様々なアマチュアクラブと提携している。
今シーズン、僕自身がプレーヤーとして所属しているBankstown Dragons FC も、会社として提携しているクラブの一つ。
このクラブには、セミプロリーグでのプレーを目標に、日本人選手だけでなく、中東、南米、ヨーロッパから来た外国人選手も多く所属している。
(アルゼンチン出身の選手。即戦力として、NPL1で通用するだけの実力を持っている)
(中東出身の選手。彼もNPLでプレーできるクオリティーを持っている)
日本人選手同様、外国人という狭き枠で勝負しなくてはいけない為、その枠が空くタイミングを虎視眈々と狙いながら、ピッチ上で毎日汗を流している彼ら。
ニュージーランドや中東のトップリーグでプレーしていた選手や、他州のNPL1でプレーしていた選手も所属している、今シーズンのBankstown Dragons FC。
彼らはこのクラブでプレーする事を、もしかしたら上でプレーする為の、コンディション調整ぐらいにしか思っていないかもしれない。
だからといってトレーニングでは決して手を抜くことなく、試合もいつも全力でプレーする。
その為、毎回のトレーニングの質も高く、チームでのスタメン争いも熾烈だ。
このBankstown Dragons FCで、2019シーズンをこのクラブでスタートさせた、二人の日本人選手がいる。
田村明大(20)と、山中真哉(22)。
2018年末から複数のセミプロクラブのトライアルを受けるものの契約に至らず、その過程で、サッカーに対する自信を失ったという田村明大。
周りの日本人選手達が次々と契約を決めていく中、自分だけが取り残されてく。
あれほど好きだったサッカーが、楽しめなくなっている。
オーストラリアでの生活も、苦痛でしかない。
そんなどん底まで落とされた田村だったが、このBankstown Dragons FCに入団する事により、サッカーができる喜びを再発見する。
【サッカーがしたくてもできない人だっているわけだし、海外でこうやってチャレンジさせてもらっている事は、当たり前ではないんだ】
現在、チームの主力としてプレーしている彼。
プレッシャーを感じる事なく、サッカーを楽しんでいる。
そしてサッカーに対する自信を取り戻したせいか、以前よりもパフォーマンスが上がっている。
そんな田村に、セミプロクラブのトライアルのチャンスは再び訪れ、それを物にする事はできるのであろうか?
日本では社会人リーグでプレーし、今年の3月中旬にオーストラリアへ渡ってきた、山中真哉。
長い期間のブランクがあり、試合勘を取り戻したいという事で、Bankstown Dragons FCへの入団を決めさせた。
体力を上げ、フィジカルコンタクトの激しさに慣れれば、オーストラリアのセミプロレベルで十分に通用すると判断し、一カ月間、彼の様子を見続けた。
そして先週、オーストラリアでの初めてのトライアルで、見事にオファーを貰った山中。
たったの数試合で、このBankstown Dragons FCを去る事になったものの、ここで培った事を活かして、次のクラブでも活躍してくれると信じている。
今回のベストショットはこの写真!(笑)
豪州フットボーラーズ