豪州2部リーグであるNPL以下のリーグの場合、クラブ自体からはビザを発給しない為、個人で合法的に滞在できるビザを準備しなくてはいけません。その為、殆どのクラブの外国人選手は、オーストラリアでのワーキングホリデービザ取得が可能な、日本人、韓国人、イギリス人、フランス人といった国籍の選手が多く、少数ですが学生ビザで滞在しているブラジル人、スペイン人といった選手もプレーしています。これらの選手とクラブの契約形態も、クラブ側は選手をいつでも契約解除できるというものが多く、選手達にとってはパフォーマンスが悪ければ即座にクビになる可能性を抱えながら、一試合一試合をプレーをしています。
そんな中、今シーズンもオフシーズンの間に契約したものの、プレーシーズンでのチームのシステムにプレースタイルがマッチしなかったという理由で、一人の選手が開幕2週間前という時点で、クラブとの契約を白紙に戻されました。
朴サンユ21歳。日本の朝鮮大学出身で、生まれも育ちも日本なので、韓国語より日本語を流暢に喋ります。2月の中旬にオーストラリアへ渡航し、NPL2(豪州3部相当)のクラブに練習参加、3回目の練習で契約のオファーを貰い、具体的な給料の話まで終え、オーストラリアサッカー協会への登録も終了されるものの、シーズン前の最後のプレシーズンマッチを終えた翌日に契約を白紙に戻すという非情な通告を受けました。
不幸中の幸いで、前回このブログでもご紹介したBellambi FCがストライカーを探していた為、火曜の練習後に何とか契約にこぎ着けましたが、殆どのリーグが開幕を目前に控えている中、毎年の様に起こっているこの開幕前の契約解除には、本当にヒヤヒヤさせられます。
こういった事は、オーストラリアの2部以下のリーグでは外国人選手だけでなくオーストラリア人にとっても珍しい事でなく、プレシーズンマッチでの調子が悪い選手はどんどん切られ、新しい選手に入れ替えられるという事が、各クラブで起こっています。シーズンの終盤には、開幕時とガラリと選手の顔が変わっていたなんていう事もザラにあります。選手達にとっては、試合だけでなく、毎回の練習から、クラブで生き残っていく為のサバイバル戦争という訳です。
練習初日の紅白戦では、早速鈴木凌と息の合ったコンビネーションプレーを見せていました。シーズン開幕前に、即戦力ストライカーを獲得できたと監督も大喜びです。今回のこの出来事を教訓とし、朴サンユにはこのチームで全力投入して結果を出し、上へ進んで欲しいです。
ゴールキーパーの桑田裕也。監督とのコミュニケーションもボディーランゲージを加えながら円滑に行っています。
Bellambi FCのホームグラウンドから車で5分の場所にある湾岸。丁度夕焼けが山にさしかかる頃で、とても綺麗なスナップを取る事ができました。サッカー関係の仕事をしているからこそ訪れる事ができるこのようなローカルスポット。最近忙しくて疲れ切っていた心身の疲れを、洗い流してくれました。
最後にこの日の練習後のミーティングの様子です。日本で生活している人で、この英語を普通に全て聞き取れる人は殆どいないのではないかと思われる位の、訛りのあるオージー英語ですが、こういった環境の中で日本から渡ってきた選手達は、色々な事を学んでいると思います。
豪州フットボーラーズ