前節の試合で、プレーオフ進出の可能性が絶たれたBlacktown Spartandsの最終戦の相手は、この試合の結果次第では、レギュラーシーズン優勝の可能性を残しているAPIA Leichhardt。レギュラーシーズンの優勝、そしてFFAカップ上位進出を目標に、オーナーの圧倒的な財力で他クラブのエース級を引き抜き、リーグ最強の戦力を揃えたAPIAだったが、FFAカップではAリーグのクラブと対戦する可能性もあったベスト32入りを逃し、リーグ得点王であったBlake Powellがシーズン途中でAリーグのクラブに移籍すると、チームの得点力が急激にダウン、下位チームにも勝ち点を取りこぼす状況に陥る。そんな状況を憂慮したオーナー自身が早速来シーズンを見据えての補強として、佐々木周に高額オファーを出すものの、去年のAPIAとの交渉で苦い経験をしている佐々木としてはそのオファーを受け入れる筈がなく、そんな中で迎えたNational Premier League NSW Men’s 1の最終戦は、APIAが佐々木の価値の高さを再認識する試合となった。
このチームで公式戦だけでも22試合を戦ってきたのにも関わらず、相変わらず日本人コンビである佐々木&中村任せの攻撃と、中盤で全くボールを裁けない、タメを作れないボランチの某選手と、監督の弱みでも握っているとしか思えない位、使えないのに出続けた某選手。他のクラブに比べて、選手獲得の予算はそこそこ余裕があるのに、何故そんな選手達しか取って来れないの?と愚痴りたくなる位のダメダメなリクルートメントについて監督は、「来シーズン、お前達が一緒にプレーしたい選手達のリストを作れ。俺が責任も持って連れてくるから」と、佐々木と中村に言い放つものの、契約する選手を見極めるのは貴方の仕事ではないのですか?と突っ込んでみる。
APIAのオーナーを始め、監督も佐々木周を絶対に獲得したいと思っているから、彼に対するマークも激しくなるのは当然。それでも佐々木は、そんなマークを物ともせずに、スルスルとすり抜けて行く。
シーズン開幕前から、監督のベン氏をして、「このリーグにこんな9番はいない」と言わしめた中村風太。トップからボランチまで、全てハイレベルでこなせるこのユーティリティー性を持った中村は、数字以上の活躍と貢献をした選手。正直、週間ベストイレブンに数回は入ってもおかしくない位、活躍した試合が多かった。あのベストイレブン選んでる奴は、ちゃんと試合を直接を観て選んでるのかね。
シーズン途中に、AリーグのCentral Coast MarinersからBlacktown Spartandsに加入した某選手なんかよりも中村の方が全然上手い。そもそもこの某選手は、オーストラリアのアンダー17、20の代表歴があり、ACLも出場している訳だか、ディフェンシブというボジションの違いはあるものの、総合的に佐々木周と中村風太の方が断然上。だけれど彼らは日本でJリーガーにもなれない。日本の選手層の厚さ恐るべし。
塩澤智祐。リーグナンバーワンの不安定さを誇るBlacktown Spartandsのバックラインの中では、よくやった方だとは思うが、もっと活躍できるポテンシャルを持っているだけに、今シーズンのパフォーマンスには本人も納得はしていないだろう。
来シーズンのSpartandsとの契約がまだ未定なだけに、気合を入れて臨んだ最終戦では、先制ゴールをクロスでアシスト。
2点ビハインドの後半に中村風太がペナルティーエリア内で足を引っかけられPKをゲット。キッカーは2週間前の試合でPKを外している佐々木周。
今回は決めた。今季9ゴール目となる佐々木のゴールで、一点差に詰め寄るBlacktown Spartands。
そして残り時間僅かな場面で、Blacktown Spartandsがフリーキックをゲットし、そのボールを佐々木周が、
タッチしたか?とりあずゴール!!
佐々木の今季10ゴール目で、Spartandsは土壇場で同点に追いつき、そのまま試合は終了。メンバーを大幅に入れ替えて臨んだBlacktown Spartandsの2015シーズンは、昨年のレギュラーシーズン2位という結果とは対照的に、プレーオフ進出失敗という、失意の幕切れとなった。
1シーズン、お疲れ様でした。彼ら3人がいなかったら、確実に降格していたであろうBlacktown Spartands、来シーズンはまともな補強をして下さい!
豪州フットボーラーズ