神奈川県出身、浜野広之25歳、通称ハマス・ロドリゲス。トルコ系のクラブ、Auburn FCでプレーする唯一の日本人である彼は、英語が全く話せないトルコ人監督のトルコ語での指示を、感覚で理解してしまう男である。
ゴリゴリのフィジカルプレーを武器とする男達が幅を利かせるこのリーグで、ハメス・ロドリゲスを彷彿とさせるハマスの切れ味鋭いドリブルと柔らかいタッチは、相手チームからも畏敬の念を抱かれる程の、このリーグではレアなものである。
若いチームなだけにリーグでは今まで一勝もできず、フラストレーションをピッチで爆発させる選手も多い中、ハマスはどんな状況でも常に冷静で、自分に与えられた仕事をきっちりこなす。
ピッチ上、そしてピッチ外でも、殆ど感情を表に出さないハマス・ロドリゲス。しかし内に秘めた闘志は、「ジェントルマンさん」をも凌ぐものとの噂もある。
普段は物静かな男が見せる、球際の激しさ。
ハマスの新たな一面を発見できてよかった。
大方の予想通り、試合は大敗。それでも試合後には誰一人帰らず、監督とディスカッションを交える彼らの姿を目撃し、リーグ初勝利は遠くないと、私、宮下は感じた。
そしてその2週間後、ハマスの先制点を含め、3-0でシーズン初勝利を挙げたAuburn FC。彼らの快進撃はここから始まるのだろうか?
と思ったら、リーグ戦は残り僅か3試合。リーグ順位最下位は既に確定しているものの、最後まで勝利に貪欲に頑張れ、ハマスよ!
豪州フットボーラーズ