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(オーストラリア)Helensburghの侍たち(サッカー)

2017.6.15

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シドニー南部、ウーロンゴンの入り口に位置するHelensburgh。このHelensburghを本拠地とし、Illawarra Districtリーグに所属する、セミプロサッカークラブであるHelensburgh Thistleで、今シーズン途中から加入した3人の日本人選手達が、活躍を見せています。

他のチームに比べ若手選手主体のHelensburgh Thistle、2017シーズンの開幕を迎え、開幕戦の2-7というスコアを皮切りに、2試合目は0-5、3試合目は1-3と、厳しいスタートとなりました。

その中、4試合目から日本人選手3人が加入したことにより、ここからHelensburgh Thistleの快進撃が始まりました。その後の8試合を7勝1敗という素晴らしい結果で終え、シーズンの中間地点である第11節が終わった現在、12チーム中4位という、プレーオフ進出圏内である、5位以内の位置につけています。

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この3人の日本人選手の中でも、特に際立った活躍を見せているのが、公式戦8試合で12ゴールを記録し、現在このリーグの得点王を独走している加藤成幸。九州の強豪である九州共立大学サッカー部出身の彼の大学時代のポジションはサイドバックながらも、このチームではストライカーやトップ下のポジションでプレーしています。オーストラリアに来た当時、右サイドバックや右サイドハーフのポジションで、他のクラブのトライアルや練習に参加していた加藤。しかし、なかなか契約に至らず、外国人選手としてクラブと契約し、プレーするには、目に見える結果、数字を挙げることの重要性を感じ、このHelensburgh Thistleでは攻撃的なポジションでプレーすることを決意しました。スピードに乗ったドリブルを得意とする加藤、下位のチーム相手には得点を量産しているものの、上位チームのディフェンス相手には、フィジカルコンタクトで潰されるシーンもまだ多いだけに、こういった上位チーム相手でも、得点をコンスタントにとれるようになれば、一ランク上のカテゴリーのクラブからも声が掛かってくることに、違いありません。

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このチームの、右サイドバックでプレーする岡本潤哉。小柄ながら、フィジカルコンタクトが強く、高いポテンシャルを持っている選手です。一緒にプレーしたことのある選手なら、誰もが彼の能力の高さを認めるほどの技量を兼ね揃えた選手ですが、決してプレーが派手ではないため、傍から見ているだけでは、良さが伝わりづらく、長い間チームが決まっていませんでした。本人も今シーズンはアマチュアリーグでプレーしながら、上に行けるチャンスを狙おうという意志が固まりつつあった中、最後のチャンスだと思って参加したこのチームのトライアルで高評価を受け、見事契約に漕ぎ着くことができました。

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そして、本職はボランチでありながらも、現在はチームの事情で、センターバックを任されている三谷佳。180センチを超す長身に恵まれ、足元の技術もしっかりしていて、ゲームメーキング能力にも長けている選手です。監督に直訴するほど、本人はボランチでのプレーにこだわっているのの、センターバックの選手が負傷などの理由で足りていないため、当ボジションも高いレベルでこなせてしまう彼が任されることに。本来なら一番実力を発揮出来るはずのボランチでのプレーの可能性は、まだ不透明です。

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財政的に、このリーグの中で決して余裕があるとは言えないHelensburgh Thistleですが、入団直後からの彼らの快進撃によって、即座に給料もアップしてくれました。選手にとっても、クラブからもらう給与額というのは、彼らのサッカー選手としての価値を測るもの。プレーするモチベーションを左右するものでもあります。この給料アップは、彼らにとって、サッカー選手としての自信に繋がったに、違いありません。後半期も、前半期のペースで勝ち続け、上位にとどまるには、彼ら3人の活躍が不可欠です。

 

そしてもう一人、6月の移籍期間で、アマチュアリーグからセミプロリーグに移籍した選手をご紹介します。

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今年2月のオーストラリア渡航後、日本人チームの一員として、他のセミプロクラブとの試合に参加する中、足を負傷し、一度はセミプロリーグでのプレーを諦めかけた現役早大生、佐橋大輔。

現在J2に所属する、町田ゼルビアユース出身の佐橋ですが、全国の強豪校出身の実力者が集まる早稲田大学のサッカー部に入部することが出来ず、社会人リーグでプレーしながら、今回のオーストラリアでのサッカーチャレンジに備えて来ました。

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自身をガッツーゾ(元イタリア代表で、闘志あふれるプレーと、激しい守備が特徴)と呼ぶぐらい、激しい守備、特にタックルを武器とする佐橋。そんな彼も、オーストラリアでは、その激しさを全面に出した守備がなかなか通用せず、アマチュアリーグでもオーストラリア人のフィジカルコンタクトの強さに苦戦していました。しかしながら今回、Illawarra Premier リーグに所属する、Woonona Sharksとの契約を勝ち取るに至りました。サッカーの実力だけでなく、コミュニケーション能力の高さや人間性を高く評価された結果といえるでしょう。一般受験で早稲田大学に入学したぐらいの高い学力も兼ね揃える彼は、今回のオーストラリアのチャレンジに当たっても、サッカーでお金をもらってプレーするという目標以外にも、コミュニケーションスキルとしての英語力を最大限に伸ばし、日本に帰ったら外資系消費財メーカーに就職するという明確な目標を持って渡航して来ました。語学学校やクラブへの移動時間は、常に英語の学習に時間を費やし、既にクラブの監督や選手とも、全く問題ないほどコミュニケーションを取ることが出来ています。その親しみやすいキャラクターゆえに、既にチーム内でも人気者です。本来は、センターバックのポジションのみを探していたはずの、このクラブ。今回、佐橋との契約を決めた理由は、『He is a good boy』。つまり、彼の練習に対する真摯な態度。それが、周りの選手に与える影響を評価されたところが、大きいと言えます。しかしながら、チームと契約出来たからといって、試合に出られるとは限りません。本人も十分に熟知していますが、彼の本当の勝負はここからです。

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