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細江悠真のチャレンジストーリー

2020.1.8

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細江悠真、23歳。

近畿大学を卒業後、企業の内定を蹴ってオーストラリアにチャレンジしにきたこの男のストーリーを、今回はご紹介したいと思う。

 


小学校からサッカーを始め、中学時代には全国大会でベスト4を記録。

チームのエースとして活躍していた彼のこの頃の目標はもちろん、【プロサッカー選手になる事】であった。

 

期待に胸を膨らませ、高校サッカーの強豪、大阪にある履正社高校に進学。

 

しかし入学して間もなく大けがを負ってしまう。

 

高校3年間公式戦に殆ど出る事なく、スタンドからピッチ内でプレーする一軍選手を応援するだけの毎日を過ごした細江。

その過程で【プロサッカー選手になる】という目標は、彼の中で自然と消滅したものとなった。

 

大学ではサッカーを続けず、サークルでフットサルを始める。大学に進学した理由はただ

【遊びたかったから】

 

3年生にもなると周りが就活を始めたので、自分もとりあえず始めた。将来やりたい事が特にあるわけでもないが、就職をせずにプラプラする訳にもいかないからと。

 

いつくかの企業の面接を受け、その中から内定を貰った。

 

本来ならば喜ぶべきであるはずの企業からの内定だが、その連絡を貰った瞬間に

 

【このまま定年退職するまでの数十年を、ここで過ごす事になるのかもしれないのか?】

 

という恐怖の感情が襲ってきたという。

 

中学時代に一緒にボールを蹴った仲間たちは、Jリーガーとして活躍している。

 

ブラウン管を通して見る彼らの生き生きとした表情と今の自分の表情を比べてみた時、その違いは一目瞭然だ。

 

【このまま就職し、やりたくもない仕事を何十年と続けた後に人生を後悔したくない】

 

 


 

それから半年後、細江はシドニー空港に降り立った。

 

【フットサルの州トップリーグでプレーする】

 

という目標を掲げてだ。

 

大学在学時に大阪府リーグでプレーしていたが、オーストラリアでは自分の実力がどれぐらい通用するであろうか?

 

オーストラリアのフットサルの知識もほとんどなく、レベルもまったく分からない。

 

それでもなぜか根拠のない自信だけはあった細江。

 

シドニーでの代理人である宮下に、州トップリーグに所属するクラブへの練習に連れて行ってもらった。

 

リーグ開幕3試合で、まだ一勝もしていないチーム。

 

戦力補強が必要なチームである為、パフォーマンス次第では直ぐに契約のオファーを貰える可能性もあると、宮下から言われた。

 

外国人枠の無いリーグだけに、ブラジル人を始めとした南米系の選手達が多い。

 

日本のシステマチックなフットサルとは違い、個の力で勝負するミニサッカーのようなスタイルだ。

 

システマチックなフットサルが苦手な細江にとって、このスタイルは自分にぴったりだと感じた。

 

 

初回の練習後、監督から【とても素晴らしい!契約を前提に次の練習にも来て欲しい!】との上々の評価を受ける。

 

【このチームでめちゃめちゃプレーしたい!】

 

と心底思った。

 

それから3週間このクラブの練習に通ったものの、結局契約に至らなかった。

 

契約できる手応えはあっただけに、この時はさすがに心が折れそうになったという。

 

【チームが決まらないまま、フットサルシーズンが終わってしまうのではないのであろうか?】

という不安にも駆られた細江。

 

しかし気を取り直し、次のチームの練習へ参加する事に。

 

リーグで2位を走る強豪チームだ。

 

前回に練習参加したチームより順位が上であるだけに、練習のレベルも一気に上がった。

 

そして初回の練習後、契約のオファーを貰う事に成功した堀江。

 

オーストラリア代表選手達もプレーする、NSW州で一番レベルの高いリーグであるNSW Futsal Premier Leagueの舞台に、ついに立てる事になったのである

 


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当初、フットサルのみをプレーしにオーストラリアへ渡航してきた彼であったが、久々にプレーしたフルコートでのサッカー試合で、忘れていたサッカーの楽しさを思い出した彼。

 

 

【フットサルの州トップリーグでプレーする】

 

 

という目標を既に達成してしまっただけに、オーストラリアでの新しい目標を立てる事にした。

 

【サッカーで給料を貰ってプレーする】

 

似ているようで全く違うスポーツである、サッカーとフットサル。

 

中学時代はサッカーで全国大会ベスト4に入ったとは言うものの、高校以来まともにプレーをしていない。

 

いくらなんでもオーストラリアのサッカーを舐めすぎていないか?という言葉さえも聞こえてきそうな、現実離れした目標とも思われるかもしれない。

 

それでも、ハードルが高いからこそ、【チャレンジのし甲斐】もあるし、達成した時の喜びも格別であろう。

 

細江の2020年サッカーチャレンジに、期待してみようではないか!

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