2020年2月号のチアーズ、発刊されました!
シドニーにお住いのみなさんは、もちろん既に入手されていますよね?
まだ入手されていない方、そしてシドニー以外の地域にお住まいの方の為に、今回もしっかりと現物をスキャンした画像を貼らせてていただきますので、そちらをご覧ください。
2月号の主人公は、この男です!
画像からだと文字がかなり読みにくいですね!
よほどのサッカー好きが、暇人か、宮本本人でない限り、この画像から記事の最後までは読まないでしょう。(笑)
それでも一生懸命に書いたので、僕の気持ちとしてはより多くの人に読んで欲しい!
という事で、下の文章から記事をお読みください。
ゴールキーパー、宮本聖也
オーストラリアでサッカーの仕事に長年携わっている僕が、一番多く聞かれる質問。
【オーストラリアのサッカーと日本のサッカーって、どっちがレベルが高いのですか?】
代表チームに関して言えば、両者の実力差はほぼないと言える。
しかし国内のトップリーグに目を向けると、日本のJリーグの方がオーストラリアのAリーグよりレベルが高い事は、サッカー界の中では周知の事実だ。
それは両国の下部リーグに関しても同じだ。
日本でお金を貰ってプレーしていた日本人選手がオーストラリアでプレーする場合、殆どと言っていいほど給料が発生するリーグでプレーする事ができる。
その逆はどうであろうか?
オーストラリアでお金を貰ってプレーしていたオーストラリア選手が日本でプレーする場合、オーストラリアのトップリーグであるAリーグの選手を除外すると、お金を貰ってプレーできるオーストラリア人選手はごく僅かだ。
僕はその理由が二つあると考えている。
毎年多くの日本人選手達がサッカーチャレンジの為に、オーストラリアを訪れる
彼らの大半は日本で高校、もしくは大学を卒業したばかりの若者だ。
そして日本ではプロ、もしくはセミプロのカテゴリーでもオファーがなかった選手達である。
日本人チャレンジャー全体の正確な数字はわからないが、僕を通じてきた選手達の半分以上はセミプロリーグ、いわゆるお金を貰ってプレーできるリーグでプレーをしている。
その大概はフィールドプレーヤーだ。
しかし、ゴールキーパーとなると話は別になる。
日本の大学リーグ、若しくは社会人リーグの高いレベルでプレーした経験をもつ選手達が口を揃えて言う事、
【オーストラリアのゴールキーパーのレベルは高い】
ゴールキーパーは一般的に、フィールドプレーヤーよりも身長が大きく影響してくるポジションである。
当然、このポジションでチャレンジをする日本人選手にとっては、フィールドプレーヤー以上に過酷な競争が待ち受けている。
そんな過酷な競争に、自ら身を投じたチャレンジャーがいる。
【宮本聖也】
182センチと、ゴールキーパーとしてはオーストラリアではかなり小柄な部類に入る宮本。
大東文大学を卒業したばかりのこの22歳のチャレンジャーが先日、Illawarra Premier Leagueの強豪であるWollongong Olympicと契約を交わした。
クラブ史上初の、外国人ゴールキーパーである。
彼がサッカーを始めたのは小学校3年生。
その時はフィールドプレーヤーだったが、チームでキーパーをやる人がいないという理由で、小学校5年生から本格的にキーパーを始めたという。
地元熊本県のサッカーの強豪、ルーテル学院中学、高校と進学し、チームの主力として活躍した宮本。
高校卒業後は大東文化大学に進学、しかしそこではトップチームでプレーするチャンスを中々掴めずに苦悩する日々が続く。
このまま大学でサッカーを引退して就職するか、海外に行ってサッカーを続けるか。
中々その答えが見いだせないまま、大学3年時には就活を始めた彼。
(海外でチャレンジする気持ちがほぼ固まっていましたが、万が一怪我した時の場合の事を考え、就活も行っていました)
最終的にオーストラリア行きを決めたのは、2019年の夏。
サッカーだけでなく英語を学びたい、そして英語が学べる環境であるという事が一番の決め手だったという。
年間300件以上のお問い合わせ、そして50人近い留学生を受けている僕だが、宮本から初めて連絡を貰った時の事は今での鮮明に覚えている。
(現在、大東文化大学に通う宮本聖也と申します。オーストラリアサッカーについてお聞きしたいのですが、お時間を少し頂いてもよろしいでしょうか?)
このセリフを聞いただけで、彼をオーストラリアに呼びたいと思った。声のトーンからも誠実な人柄が伝わってきた。
今まで多くのサッカー選手をマネージメントしてきた中で、サッカーの実力はピカイチなものの、人間性に問題がある選手が少なからずいたのも事実だ。
そのような選手をサポートするのは、いくら仕事といえども楽しくないしやりがいも感じられない。
そういった意味でこの宮本聖也というプレーヤーは、僕にとって心の底から気持ちよくサポートできる選手なのである。
(チームと契約はしたものの、自分がスタメンで出られるかもわからない)
と、決して気を緩めない宮本。
近所のグランドで他の日本人選手達と共にトレーニングに励む姿を遠目に見ながら、彼をサポートできる自分の立場に感謝せざるを得なかった。
以上、2月号の記事でした。
3月号の主人公は一体誰になるのか?
主人公になりたい選手、連絡待ってるよ!(笑)
豪州フットボーラーズ