2年前、オーストラリアで短期サッカー留学を経験した男が、再びこの地へ戻ってきた。
【田中準也】
現役大学生である彼、日本では大学の体育会サッカー部には所属しておらず、社会人リーグでプレーを続けていたという。
自分の実力が海外でどれぐらい通用するのかを試したくて参加する事にした、2年前のオーストラリア短期サッカー留学。
そこで彼は、オーストラリアの魅力に憑りつかれる。
閉塞感が漂う日本の社会に比べて、開放的なこの雰囲気。
道を歩く人々の表情も、笑顔に満ち溢れている。
【住んでいるだけで幸せになれそうだな】
と、田中は思ったという。
短期留学の間、数チームのセミプロクラブのトライアルに参加した彼。
そこでの予想だにしていなかった自分への高評価に、
【オーストラリアで一シーズンプレーしたい】
という気持ちが湧いてきた。
2019年夏、短期サッカー留学の為にドイツへ渡航した。
オーストラリアで培った自信を元に、サッカー本場のドイツでどれだけ通用するか試す為だ。
しかし練習参加したクラブのレベルは決して高くなく、様々な事情でそれ以上のレベルにあるクラブへの練習参加はできなかった。
【不完全燃焼なこの気持ちを、オーストラリアでのトライアルでぶつけてやる!】
2019年11月、人生2度目となるオーストラリアの地を田中は踏むこととなった。
オーストラリア到着日から、さっそくトライアルに参加した田中。
日本でもトレーニングは積んできただけあり、コンディションはすこぶる良い。
久々に感じる広い大地と高い空、そして澄み切った空気。
この地に戻ってきてサッカーをプレーできる事の喜びをボールに込め、蹴り上げた。
渡航から3週間後、Illawarra Premier Leagueに所属するWoonona Sharksからオファーを貰い、契約書にサインをした田中。
お金を貰ってプレーできる舞台に、遂に足を踏み入れる事になったのである。
日本の体育会サッカー部に所属していなくても、海外でセミプロ選手になれる。
日本でプレーしているサッカー選手達に希望を与える事のできる、そういった前例をまた一つ彼は作ったのだ。
ここから本当のチャレンジが始まるという事は、本人も十二分に理解している。
2020シーズン、Junya Tanakaという名前をIllawarraサッカー界からどれだけ聞くことができるであろうか?
この21歳の若者の活躍を、一緒に期待しよう。
豪州フットボーラーズ