豪州フットボーラーズ
COLUME

(オーストラリア)National Premier League NSW Men’s1第15節(サッカー)

2015.6.21

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一か月の日本での仕事とホリデーを終え、久しぶりにシドニーに帰ってきました。我らがBlacktown Spartandsは14節を終了した時点で12チーム中7位と、厳しい戦いを強いられている中、前期の対決で完敗したManly Unitedをホームへ迎えました。日本人の3選手、佐々木周、中村風太、塩澤智祐はスタメンスタートです。

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トップのボジションでのスタートとなった佐々木周、試合開始から積極的に前線から相手ディフェンダーにプレッシャーをかけていきます。日本人で今シーズン、一番多くのベストイレブンに選ばれているだけあり、相変わらずの存在感でピッチを駆け回るものの、他のオーストラリア選手のパスを出すタイミングが何テンポも遅く、前半序盤は中々良い形でボールを受ける事ができません。

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佐々木周と共に、2トップの一角でのスタートとなった中村風太、佐々木周との2トップという事で、攻撃での2人のコンビネーションが期待されましたが、ボランチから良いタイミングでボールが入って来なく、両サイドのミッドフィルダーもドリブル好きで球離れが良くない為、中盤まで下がってボールを貰う時間が多くなります。

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一時期スタメン落ちしたものの、調子を取り戻してスターターに返り咲いた塩澤智弘は、右サイドバックでの出場となりましたが、このチームで最大の弱点と言われている(僕が勝手に思っている)右センターバックの相変わらずの不安定さに、彼もやりにくそうでした。

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決して贔屓目ではなく、本当にこの日本人3選手がいなかったら試合になるのかよ!と叫びたくなる位の日本人選手達の圧倒的なパフォーマンスの高さと、オーストラリア人選手達の安定感の無さで構成されている現在のBlacktown Spartandsを観ながら、世界でも類を見ないポイント制度と2枠しかない外国人枠という弊害が、競争原理に晒されていないオーストラリアの若手選手の質の低下に繋がっていると感じている訳です。

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今回、日本の九州社会人リーグ、そして関東大学サッカーリーグの試合を何ゲームか観戦して、シドニーに戻ってきてこのゲームを観て改めて感じた事は、ボールを止める蹴るといった基礎技術であったり、判断の部分では日本人の方が上だが、セットプレーでの高さや、球際の激しさ、単純な筋力の多さ、身体能力の高さはオーストラリア人の方が上であるという事と、日本は大半、リスクを負わないプレーをする為、横パスの多さ、そして自軍ディフェンスラインでボールを回す時間が多く、スローテンポになりがちだが、オーストラリアは縦への意識が強く、リスクを負うプレーをどんどんする為、その分ボールロストも多く、アップテンポな試合になりやすいという事です。どっちが良いかは別として、観ている方としては正直、オーストラリアのサッカーの方がエンターテイメントとしては面白いですね。

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佐々木周は、こうやって相手に囲まれてボールをキープしながらも、左手で味方に指示を出している訳ですが、中々彼の思い通りには味方が動いてくれない訳で、しかもその指示が味方にはうるさく聞こえるらしく、Too much complaining(文句を言いすぎ)って逆に言われてしまうらしいです。

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だからこそ、意思疎通がよりスムーズにできるだけでなく、サッカーのイメージを共有できる佐々木周と中村風太が、本能的に互いを探す訳です。

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これも、中村風太の折り返しに、佐々木周が相手ディフェンダーの前へ入っていき、シュートしたものの惜しくも外れたシーンです。ここにオーストラリア選手が絡んでくると、中々スムーズなプレーにはならないんですよね。

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この左利きの彼は、元オーストラリア20歳以下の代表で、Aリーグのウェスタンシドニーのユースでプレーしたもののトップに上がれず、このリーグでプレーしている選手なのですが、オーストラリア人らしからぬタッチと技術を持っている反面、オーストラリア人の特徴とも言える、激しさがあまりない、そして走れない!2年程前までは、彼のエージェントがイングランドプレミアリーグのフルハムに売ろうとしていた位の素晴らしい実力の持ち主だったのですけれどね。

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このシュート、Blacktown Spartandsが、2点ビハインドから2点追いつき、3点目の逆転ゴールを突き刺すシーンですが、この11番の彼、このシュート以外はダメダメでした。体も大きいし、ドリブルのスピードもそこそこあるので、ポテンシャルは高いと思うのです が、なんせドリブルが好きで無駄なタッチが多すぎる。シーズン開幕当初からまったくこの彼の悪癖が治っていない所が、彼の学習能力の無さを感じさせてしまいます。

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とはいえ、こんなSpartandsでも、よっぽど良いサッカーをしていたManly Unitedに勝ってしまった。どんな形であれ、勝った方が強いという事ですから良しとしましょう。

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試合後のワンショット。3日前にシドニーに到着した18歳のニューチャレンジャー、田中君も日本人選手達の活躍に大興奮し、大きなモチベーションを貰う事ができました。

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